【読書メモ】インターフェイスデザインの心理学-ウェブやアプリに新たな視野をもたらす100の指針

読書感想文第一弾は『インターフェイスデザインの心理学-ウェブやアプリに新たな視野をもたらす100の指針』

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

 

O'Reillyが出版されているので難しいのではないかとびくついてましたが、実際はとても読みやすく興味深い内容でした。1つの項目が数ページ内でまとめられており、気になったところから好きな順番で読むことができます。

自分の普段の行動や考え方も多々当てはまりました。

以下、印象に残ったことまとめ(長いので随時更新) 

著者"Susan Weinschenk"について

ヒューマン・ファクターズ・インターナショナル社UXストラテジー部門の責任者。心理学の最先端研究をデザインに応用する方法を30年以上研究し続けている。講演者、司会者としても人気がありニックネームは「The Brain Lady」

参考文献『インターフェイスデザインの心理学-ウェブやアプリに新たな視野をもたらす100の指針

人はどう見るのか

概要 

脳の約半分は目から入ってくる情報の処理を行っている。目が受理した情報をそのまま見ているわけではなく、受理したイメージが脳に伝達され脳が変更や解釈を加えているのである。

 

目が受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う

  • 実際にウェブページを閲覧した人たちはこちらの予想や期待とは違った見方をする場合がある。
  • 表示の仕方によっては、こちらの希望する通りの捉え方をしてもらえない恐れある。

人はパターン認識でものを識別する

  •  できるだけパターンを使う。グループ化や空白によってパラーンは作られる。
  • アイコンなどで使う絵はシンプルな図形を組み合わせたものにする。
  • 目に入ってきた情報は二次元の形で脳に伝えられる為、三次元より二次元を使う。

顔認識専門の脳領域がある

  • ウェブページを見てまず注目するのは人の顔。
  • 自閉症の人は例外。
  • 「こっちをまっすぐに見つめている顔」が最も感情に訴える力が強い。
  • ウェブページにある顔の視線をたどって、その先にあるものを見る傾向がある。(注意を払うわけではない)

人は過去の経験と予測に基づいて画面を見る

  • 一番注目させたいものは画面の上から1/3までの場所か画面中央に置く。
  • 端に置かない。
  • 画面やページは普段読むときのパターンで移動できるようデザインする。

人は手がかりを探す

  •  デザインをするときはアフォーダンスを配慮する。
  • オブジェクトを選択したときや、アクティブになっているときは陰影によって示す。

人は近くにあるものを同じグループだと思う

  • 一つのグループとして見てもらいたいものはまとめて配置。
  • 線や囲みを使う前に要素同士の間隔を調整する。

  • 関連のないもの、あるもの、は間隔で調節する。

人はどう読むのか

概要

ほとんどの人々にとって「読むこと」は情報伝達の主たる手段となっている。しかし、読むだけでなく理解をしてもらわなければいけない。伝えたいことを理解してもらうためどうすればいいのか。 

 読むこと理解することは同じではない

  • 意味のある表題や見出しをつける。
  • 幅広い読者に読んでもらうには、短くてやさしい単語を使用する。
  • 読んだものについての理解や記憶に残る部分は、読み手の過去や経験、読んでいるときの観点、事前に与えられた指示に影響される。

コンピュータの画面上のものは紙に書かれたものより読みにくい

  • コンピュータの画面上で読まれてる文章は大きな文字を使用。
  • 段落や箇条書き、写真を活用し文を短く切る。 

 人はどう記憶するのか

「記憶容量」は無限でない。覚えられる量や期間、正確さには限界がある。人間の記憶の特性や、不確かさと複雑さについて解説。

 

ワーキングメモリの限界

  • 画面が変わってもユーザーが情報を覚えていると期待してはいけない。
  • 一つのページで読んだ文字や数字を別ページで入力させてはいけない。
  • ワーキングメモリがあることを忘れてほしくないなら課題が完了するまで他のことをさせない。

一度に覚えられるのは4つだけ

  • 提示する情報は4項目までだと理想的。
  • 情報をいくつかのチャンクに分けられるならば、情報がもっとおおくてもかまわない。
  • ひとつのチャンクに入れられるのは4項目まで。

情報は思い出すより認識する方が簡単

  • 記憶への負担は可能な限り減らす。
  • 利用者が何かを想起しなければならないようなインターフェイスはできるだけ避ける。

記憶は知的資源を大量に消費する

記憶は混乱しやすい

親近性効果・・・最後の方で見たこと聞いたことは思い出せる

接尾効果・・・途中で中断されたため、最初の方を覚えていて最後の方はおぼえていない。

  • 具体的な言葉やアイコンを使用。
  • 発表の昼間部で示された情報は、記憶されている可能性が最も低い。

記憶は思い出すたびに再構築される

  • こちらが使う言葉によって相手が記憶することが大きく影響される可能性がある。
  • 過去の行動についての自己申告を信用してはいけない。

忘れるのはよいこと

  • ユーザーが忘れること前提にデザインをする。
  • デザインの中に含まれる形で提供するか、すぐ見つけられる方法を準備すること。

人はどう考えるのか

概要

膨大な数の神経細胞がある脳。人間はこれを使って多様な処理を行っている。外界の状況を把握するために脳が行う興味深い処理について見ていく。

情報は少ないほどきちんと処理される 

段階的開示

段階的開示・・・人がその時点で必要としている情報だけを提供すること。

 - 量の多さでユーザーが圧倒されてしまうことを避ける

 -さまざまなニーズに対応が可能

  • ユーザーが必要としているときに必要な情報を示す
  • 詳細情報のリンクを用意。
  • クリックを増やす方を優先させる。
  • 段階的開示を使う前に、大半のユーザーがいつ何を必要としているか把握する。

人は30%の時間はぼんやりしている

  • 人がネットサーフィンを好むのは散漫な行動ができるから。
  • 素早く切り替えられるような仕組みを作る。
  • 「現在位置」がすぐわかるようにすること。

人はシステムを使うときメンタルモドルを作る

メンタルモデルとは

メンタルモデル・・・ある物事が機能している仕組みをその人がどう理解しているかを表現したもの。

  • 過去や経験に基づいて構築される。
  • すべての人が同じメンタルモデルをもつわけではない。
  • ユーザーや顧客を調査することでメンタルモデルをより深く理解できる。

人は概念モデルとやり取りをする

  • しっかりした目標を設定してシステムの概念モデルを設計
  • システムの概念モデルをできるだけユーザーのメンタルモデルと一致させること。