【読書メモ】誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論
- ドアを開けるとき「押すのか」「ひくのか」わからなくなる
- これでもかと盛大な機能を盛り込んであり、どこにどのボタンがあるのかわからない電話
- どこに点灯するか迷ってしまうオフィスの入り口にある電源スイッチ
日常生活においてこのような経験はないでしょうか?
こういった状況に陥ったとき、私たちは誤った行動してしまった自分が悪いと判断してしまいがちです。しかし、これらの問題はユーザーではなく「デザイン」にあるのです。
「デザインとはどうあるべきか」を解いているのが『誰のためのデザイン?』です。
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
- 作者: ドナルド・A.ノーマン,D.A.ノーマン,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1990/02
- メディア: 単行本
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著書「ドナルド・A,ノーマン」について
認知科学者。MIT、ペンシルベニア大学を得てハーバード大学講師、カリフォルニア大学サンディエゴ校の准教授・教授を歴任する。1993年には名誉教授に。また同じ1993年〜1997年にはアップル社のフェロー兼Advanced Technology Groupの副社長、1997年〜1998年ヒューレット・パッカード重役。他にもノースウエスタン大学教授、韓国科学技術院特別客員教授を歴任し、1998年からニールセン・ノーマングループ代表を務めている。人間中心設計のアプローチを提示し、ヒューマン・インターフェイスやユーザビリティに多大な貢献を果たした。
参考:コトバンク
アフォーダンスとシグニファイア
この本で唱えられたアフォーダンス
アフォーダンスという言葉は事物の知覚された特徴あるいは現実の特徴、とりわけそのものをどのようなに使うことができるかを決定する最も基礎的な特徴の意味で使われている。
む、難しい・・・
なかなか理解できなかったので、簡単な例で考えてみました。
例えば「櫛(くし)」が一つ用意されている場合、私たちと櫛(くし)は「髪をとかす」という関連性、アフォーダンスが生まれます。しかしこの櫛(くし)の歯の部分が鋭いナイフでできていたら、「髪をとかしてはいけない」というアフォーダンスを与えているのです。
しかしこの用法は間違っていることを著者は後に認めている。
アフォーダンスは環境が動物に与える「意味」のことです。アフォーダンスは物理的な性質はなく、また無限に存在します。
ドナルド・A,ノーマンは後に出版した『複雑さと共に暮らすデザイン-デザインの挑戦』にて、デザインにおいて意味をなす「視覚化されたアフォーダンス」のことを「シグニファイア」という言葉提唱されています。