【行ってきたよメモ】「次世代教育とHCD」
3月まで教育系の事業会社でアルバイトをしておりました。
アルバイトをしていく中で感じたことは「学習教材が変わっている」ということ。
紙のドリルや教科書からインターネット学習やタブレットの導入なども加わり、学習するスタイルの幅がすごく広がってきていますよね。
でもただ導入すれば良しではなく、それをどう活用しいくのか利用する側(大人も子どもも)は理解しているのかなとも思います。
教育をデザインするっていったい何なんだろう、ICTタブレット導入したことで得られるものって何なんだろう、じゃあこれからの教育って何が必要なの???
そんな思いで参加した今回の講義。
ざっくばらんですが印象に残ったことをまとめていきたいと思います!
保育園設立運営経験を地域図書館活性化に生かした話題
【登壇者】株式会社メタデザイン 三浦 健次さん
『幼保一体における「乳幼児教育」のデザイン』
保育園民営化プロジェクトにおける「子供・空間・関係性」
最初に考えること
海外では主に
- 子供中心で構築するのでふさわしい環境揃える
- 大人が質の良い教育を教えていく
の二手の考え方に分かれる
地域と乳幼児教育のあり方について
レッジュ・エミリアアプローチ*1を取り入れる。
3つのイノベーション
- 法人のイノベーション
- マネジメントシステム構築
- こどもの創造性開発
この3つのイノベーションを組み込んでいった。
子供の学びの為の空間デザイン
【家具】
子供の家具が重要、日本のメーカーに協力。
子供の学びにつながる家具ってのはなかった企業側もそれを開発するというメゾットを持ってなかった。一緒に子供たちとワークショップしたりする中で新しく家具を開発同時にしていった。
【ロゴ】
子供たちとワークショップやって子供たちの発想を元に作成
まとめ
イタリアでの研修も実行現地の人に来てもらい日本での研修を実行していく。
それらを全て予算の中で行わなければならなかったが、そのプロジェクトマネージメントがキモだった。
最終的には子供たちの対話「完成や創造性」を育てながら対話に水をやるというスタンスで落ち着き、全てが子供たちの学び場になる環境づくりになった。
デザイン思考の考え方
保育士さんや経営者の方々を巻き込んだ進行
プロセスから入り本来解決しなければならない問題と目指すビジョンを作り、コンセプトを作る。この過程を全て保育士さんや経営者の方々にも入ってもらい共有しながらアウトプットをだし3つのイノベーションを進める。
そして下敷きにしたのがレッジュ・エミリアアプローチという考え方であった。
『未来を生き抜く力「学ぶ技術」のデザイン』
鎌倉の小学校における「授業のデザイン」
鎌倉の小学校の授業のデザイン
通常だったらデザイナーが関わる隙間ないが、デザインといわれていたのでこちらから必要なことを訴えながらプロジェクトにしていった。
テーマ
「未来に求められる「生きる力」を育む学びのデザイン」
文科省が提供した文章が読むとみんな分かった気になっていたが、生きる力が何なのかに対する考え方は人によってまちまち。
そこで「生きる力」を育む学びとはなんなのか具現化するといった目的設定
現状
- 先生が生徒の枠組みの中で発想するパターンが多い→
先に大人が経験させてそこから子供たちへのアプローチにしていく
-
職員室対話がない場になっている、隣の先生が教室は行ったら何をしているかわからない現状→
対話できる職員室へ、先生同士が協力し合えるチームへという下地作り
アプローチ方法
ビジョンデザインを行いサービスデザインへ現場で子供たちと実践、フィードバックへ
ビジョン
「センスとダイバーシティ」
対象の4年生の時期に必要なもの、まだ「個性」などが確立しない時期で隣の人と協力することがようやく芽生えるということでいろんな経験をしたくさん引き出しをつくる
- 人とものに対する感受性をこのときに教えていく感受性
- 集団やコミュニティに対する感受性
- 目に見えない未知ものを取り入れる感受性
この3つの感受性を設定
取り組み
- 学習から学び得るということを先生が答えを教えず一緒に考えて学びを導くファシリエーターへ
- 教室に閉じ込めず教室を「見えない存在」にしていく
「環境」のワークショップ
雨になって川になる状態から海になる形態を一時間圏内で見えるため「水」をテーマに課題設定
最初は自分の問題として老いかえれなかったが、だんだん水の立場となって考えるべきじゃないかと考えるようになった
協力していただいた企業の取り組みの話などを最初に設定していただきながら現場のフィールドワークを入れてもらい自分たちの気づきを入れる
さらに理論的に理解してもらうのにまた教室でやる、最終的に自分たちが完結するのにどのようにありたいのかというビジョンを自分たちで作らせる
アウトプット
「市長がワークショップに参加し子供たちだけで市長との約束を作る」
事前練習なしで子ども同士協力し合い、自発的に発言できるようになり全員の中で「水の話」がおちた。
→見事に市長に伝えきり各約束を取り付けた。
『地域再生と図書館情報サービス』
地域の知の拠点 図書館が提供するメディアリテラシーワークショップ
現状
世界的に図書館は減っている一方で日本は増えている、しかしそこには必要だからではなく箱物行政としての背景がある。
→世界的に図書館は減っているがヨーロッパの事例を見ると図書館自体が進化している。
一方日本はサービス行政化している
民営化している長崎の市立図書館
- 無料の貸本屋
- 休憩所
→低予算で運営代行している業者扱い
→ほとんどのかたが契約社員でワークプア状態
そもそも図書館とはなんなのか
消費者を作るのではなく「生活者をつくる」
マーケティング上の消費者をターゲットにするのではなく生活者をターゲットとしたときに図書館サービスとはどう
つくっていくのか組み立てていく。
世界的な流れだと実は情報を知識に置き換え、内面化するというところまでが図書館の仕事となるだろうといわれている。
その上で地域にあるデジタルデバイドやメディアリテラシーの問題を解決しながら、技術的に判断していける市民を作るというのが先進国の図書館の流れ。
そこからメディアリテラシーのワークショップを行った
明日の学びプロジェクトについて
【登壇者】富士通株式会社 佐伯 敦さん
『明日の学びプロジェクトから学ぶ明日』
初等教育ICT化施策の話題
学びのイノベーション事業
総務省のフューチャースクールの推進事業ここに併設して文科省の学びのイノベーション事業っていうのがやられている。
その事業を行っていく上で一人1台学校で整備しその中で環境面の洗い出しを行う。
国の目標は2020年代一人1台といっているが実際6.5人に1台。
第二期の教育振興基本計画の中で2017年までに3.1人に1台やろうとしている。
明日の学びプロジェクトについて
ただ導入するのではなく、子供たちがどんな未来を迎えるか21世紀型スキルにふさわしい教育の環境そこにICTが+@で入る環境を作りたい
先生がどうやって活用するか
どういう風に子どもたちに効果を発揮させるかということを
各地域の先導校と一緒になって取り組みを開始した→「明日の学びプロジェクト」始動
様々な教育スタイルの実現
- 自分のカメラで写真をとったものを先生に提出
- 先生がワークシートを配りそれを子どもたちが書き込む
- クイズ番組形式のように回答を前に出す
- 書き順の止めはねを自動でチェックする
など、にくわえ
- ICT支援員のサポート設置
- 「知恵がたまるポータルサイト」先生たち我やった授業の記録支援員の教え合いなど記録していく
その結果、クラス全員の意見の可視化ができたり、全員がICTを持って意欲をおって取り組むよう変わってきた。
# ディスカッッション
今回登壇された三浦さん、佐伯さんはそれぞれ違うアプローチで教育に取り組んだ。
一つは教育システムの開発におけるデザイン思考のアプローチ
もう一つは教育カリキュラムにHCDのコンピタンスを入れるかといったアプローチ
(質問)教育というのはその場限りのものではない、継続性のフォローはしにくいがその辺りの工夫や考えは?
(三浦さん)組織文化をデザインするフェーズに入っている。運営する会社に対して自分たちの価値を証明しキャリアプランを描かせるか。
協力し合える組織にしていくというのが自分たちが離れた後のヒントとなると考えている
(質問)継続性を保つ為のルールや仕組み考えているか
(三浦さん)考え方を置き換えなければ何も変わらない、しかしそこが大変。目先のメリットより長期的な視線を持つ=仕組み
どうやって自分たちが組織的な障害に向かっていけるか考えさせる。
(佐伯さん)個人の先生たちは「これやった」「こういう反応」といった成長があるが今後はチーム性が求められる。先生方が協力し合い学校としてレベルアップしていかなければならない。
(質問)教育のステークホルダー*2がたくさんいると思われるがそのあたりについての考え方について
(三浦さん)課題解決をしないという捉え方をしている。その人が話す利害の背景の裏側をのぞきどんどん曖昧にしていく。
個々の問題解決より本質的の要求を共有できれば満足は得られる。
(質問)それぞれのHCD UXDものの見方考え方、実際に専門家の方々は入っているのか
(三浦さん)認識として世の中のデザイナー縮小しているが世の中的には求められるものが広がっている。ここで話す内容はデザイナーも知っておかなければならない
海外はコミュニケーションデザインという専門家がいる、こちらももっといろんな人たちを入れてデザインプロジェクトを成功させていきたい。
(佐伯さん)我々の中でも現場を観察した上で次の一手をきめていく、比較的多くの授業見学をさせてもらった。子供たちが私が知っている教育ではない教育をしている、そこを専門的な方々に見ていただきたい。